【2026年10月】Intel、300mmのInPシリコンフォトニクスを「唯一の量産ファウンドリ」と主張と報道──CPO競争の焦点が「光源の量産」へ移る構造

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結論:2026年10月のOCP Global Summitで、Intelが「300mmのインジウムリン(InP)シリコンフォトニクスを大量生産できる唯一のファウンドリ」と主張したと報じられました(TrendForceが2026年10月20日にWccftechの報道を引用して紹介。Intel自身の発表文は確認できていないため、以下は報道ベースです)。この主張が示す構造的な意味は、CPO(共パッケージ光学)の競争が「スイッチやパッケージの設計」から、「光を出すレーザー光源をどのウエハーで、どれだけ量産できるか」という上流の製造能力へ広がっている点にあります。

目次

何が報じられたのか:InPレーザーを300mmのシリコンフォトニクスに統合

報道によれば、Intelは自社の300mmシリコンフォトニクスのプラットフォームにInPベースのレーザー技術を統合しており、AI・HPC向けの次世代のNPO(ニアパッケージ光学)やCPOを狙っているとされます。ここで押さえるべきは、シリコン自体は光を効率よく発する材料ではないため、光源にはInPなどの化合物半導体が必要になるという点です。

一方、InP基板は一般に150mm(6インチ)が上限で、3インチや4インチも広く使われているとされます(ijiwei)。シリコンCMOSの標準である300mmとは面積で大きな差があります。さらにInPは脆く、結晶成長が遅く、欠陥制御も難しいため、1枚のウエハーから取れるレーザーの数が限られます。つまり「300mmで量産できる」という主張は、事実であれば、コスト構造と供給量の両面で意味を持ちます。ただし、Intelの量産規模や顧客数は今回の記事では示されておらず、実際の出荷実績は別途確認が必要です。

CPOはすでに立ち上がりつつある:NVIDIA、Broadcom、TSMCの動き

CPOの需要側は動き始めています。TrendForceによれば、NVIDIAはTSMCと共同開発したCOUPE(Compact Universal Photonic Engine)を用いたSpectrum-X CPOスイッチを一部のパートナーへ出荷開始しており、Broadcomも51.2Tb/sの「Bailly」CPOスイッチを限定的に出荷しています。BroadcomはOCP 2026で、102.4Tb/s・1レーン200Gbpsの第3世代「Tomahawk 6-Davisson」も披露しました。TSMCも2026年にCOUPEのオン・サブストレート方式の生産開始を計画し、基板上の光学接続で電力効率2倍・遅延10分の1(ボードレベルのプラガブル光学との比較)を目標に掲げています。

中国勢も追随しています。報道では、Zhongji Innolight(中際旭創)が専用のCPO生産ラインを持ち、800G CPO光モジュールの小ロット生産を開始、出荷は2027年から、本格普及は2028年と見込まれています。Huaweiも2026年9月にNPO方式のAscend 960スーパーノードを発表しました。先端パッケージやAIチップを巡る動きは、当サイトのTSMCの7〜9月期決算の解説や、Huaweiの中国AIチップ市場に関する発言にもつながります。

構造として何が起きているか:ボトルネックは「光源」と「試験」に移る

AIクラスタでは、銅配線の電力と距離の限界から光接続への移行が進みます。光接続の需要はレーザー部品にも波及しており、VCSEL需要が2031年に6.5億個へ拡大するというTrendForceの予測は、その一端を示しています。今回のIntelの主張は、同じ流れの中で、より高出力・高速なInPレーザーを大口径ウエハーで作れるかという問いを前面に出したものと言えます。

もう一つのボトルネックは試験です。TrendForceの2026年10月13日付の報告によれば、光学アライメントの時間は数秒以下まで短縮された一方、フォトニック集積回路(PIC)1個の完全な試験には今なお100秒を超える場合があります。TrendForceは、2027年をCPO試験システム統合の節目、2028年を量産準備度を測る重要な年と位置づけています。歩留まりを握る工程が競争領域になるという点は、HBM需要で台頭する中国のメモリ試験装置メーカーの動きとも共通します。

製造装置と供給網への含意

300mmのInP関連プロセスが実用化に向かうなら、必要になるのは成膜、接合、検査、試験といった工程の装置です。装置側ではすでに投資拡大の見通しが出ており、ASMLの2026年売上見通しの3度目の上方修正や、SEMIの米州300mm装置投資が2029年に406億ドルへ倍増するという予測、Applied Materialsの50億ドル規模の研究拠点EPIC Centerが並びます。光半導体は微細化の主戦場ではありませんが、ウエハー大口径化と先端パッケージの組み合わせで、装置需要の新たな層になる可能性があります。

ファウンドリの視点では、TSMCがCOUPEで「光エンジンの製造とパッケージ統合」を、Intelが「InPレーザーを含む光源の量産」を、それぞれ強みとして打ち出す構図です。顧客から見れば、光源・光エンジン・パッケージを誰がまとめて供給するかが、調達と採用の判断軸になります。また、Microsoft「Maia 300」とIntelの関係に関する報道のように、Intelが顧客関係を広げられるかも、この主張の実効性を左右します。

今後の注目点

確認すべき点は三つあります。第一に、Intel自身がこの主張を公式資料で裏付け、量産規模や歩留まりを示すか。第二に、NVIDIAやBroadcomといった需要側が、InP光源の調達先としてIntelを採用するか。第三に、試験工程のボトルネックが2027年に解消へ向かうかです。「唯一」という表現はマーケティング上の主張である可能性もあり、第三者による検証が出るまでは、報道ベースの位置づけで見るのが妥当です。

出典:TrendForce News「Intel Claims Industry’s Only High-Volume 300mm InP Silicon Photonics Capability as CPO Gains Momentum」(2026年10月20日)。同記事が引用するWccftech、ijiwei、TrendForce(2026年10月13日付CPO試験に関する報告ほか)、Broadcom、TSMC、Huaweiの各情報に基づく。Intelの主張および中国企業に関する情報は二次情報(報道ベース)であり、一次ソースでの確認はできていません。


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