結論:アンダーフィルは、フリップチップのバンプ接続部の隙間に流し込む補強樹脂。チップと基板の熱膨張差によるバンプ疲労破壊を防ぎ、パッケージの寿命を決定づける。ナミックス・レゾナックなど日系材料メーカーが高シェアを持つ隠れた要素技術だ。
アンダーフィルとは何か
フリップチップ実装では、シリコンチップ(熱膨張係数 約3ppm/℃)と有機基板(約15ppm/℃)の膨張差により、温度変化のたびにバンプへせん断応力がかかる。アンダーフィルはチップと基板の数十μmの隙間に液状エポキシ樹脂を充填・硬化させ、応力をバンプ単点ではなく面全体に分散させる補強材だ。これがなければ大型チップのフリップチップ実装は温度サイクルで早期に破壊されてしまう。
充填方式の進化
標準はチップ辺に樹脂をディスペンスし毛細管現象で浸透させるキャピラリーアンダーフィル(CUF)。生産性を上げるため、はんだ接合と同時に硬化するNCP/NCF(非導電ペースト/フィルム)を使う先塗布方式、モールド樹脂で封止と充填を兼ねるMUF(Molded Underfill)も普及した。特にNCFはTCBによるHBM積層で標準材料となり、フィルム材はレゾナックなど少数の日系メーカーが供給を担う。
主要プレーヤー
液状アンダーフィルではナミックス(新潟)が世界トップクラスのシェアを持ち、レゾナック、ヘンケル、ナガセケムテックスなどが続く。要求特性は低粘度・速硬化・低応力・耐リフロー性と多岐にわたり、フィラーの微細化(バンプ隙間より小さいシリカ)が微細ピッチ対応のカギだ。ディスペンス装置(武蔵エンジニアリング等)やプラズマ洗浄(前処理)も一体の市場を形成する。
投資・M&A視点
アンダーフィルは1パッケージ当たり使用量こそ少ないが、代替が利かず認定障壁が極めて高い「スペックイン型」消耗品で、利益率が高い。AI向け大型パッケージでは充填面積・信頼性要求が増し、単価上昇が続く。ハイブリッドボンディング移行で長期的にNCF需要が変化するリスクはあるが、当面はHBM増産=NCF・CUF増販の構図。化学各社の電子材料ポートフォリオ再編で注目される領域だ。
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