結論:モールディング(封止)は、チップとワイヤ・バンプを樹脂で覆い、湿気・衝撃・光から保護する工程。エポキシ封止材(EMC)は住友ベークライト・レゾナック・京セラなど日本勢が世界シェアの大半を握り、装置はTOWAが圧縮成形でリードする。
モールディングとは何か
実装・接続が終わったチップは、そのままでは湿気や異物、機械的衝撃で故障する。モールディングは、シリカフィラーを高充填したエポキシ樹脂(EMC:Epoxy Molding Compound)を金型内で加熱溶融させてチップ周囲に充填・硬化させ、パッケージの黒い外装を形成する工程だ。タブレット状の樹脂を金型に押し込むトランスファ成形が伝統的手法で、樹脂の流動がワイヤを変形させない設計が重要となる。
圧縮成形とパネル化
ファンアウトや大型基板の封止では、粉状・液状樹脂を金型に敷いてから基板を押し当てる圧縮成形(コンプレッションモールド)が主流になった。ワイヤ変形リスクが小さく、大面積を均一に封止できるためだ。さらに液状封止材(LMC)はFOWLPの疑似ウェーハ形成にも使われ、封止は「保護」から「構造材」へ役割を広げている。反り制御のための低収縮・低応力設計が各社のノウハウの核だ。
材料・装置の日本勢優位
EMCは住友ベークライト・レゾナック・京セラなどの日系メーカーが世界シェアの過半を占め、特に高信頼性の車載グレードは日本勢の牙城だ。封止装置はTOWAが世界シェア首位で、アピックヤマダ(現ヤマダ・アピック系)、ASMPT、BESIが続く。フィラー(アドマテックス等)、離型フィルム(AGC、コバヤシ)など周辺材料も日系の牙城だ。
投資・M&A視点
封止材は数量×単価の安定ビジネスだが、AI向け大型パッケージ・パネルレベル封止で技術単価が上昇している。TOWAはHBM・FOPLP向け圧縮成形装置の需要拡大で注目され、EMC各社は車載・先端向けのミックス改善が利益ドライバーだ。エポキシ・フィラー・フィルムのサプライチェーンは寡占度が高く、化学メーカー再編の文脈で常にM&A候補に挙がる領域である。
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