この記事のポイント:DPSS Lasers, Inc.(米国・カリフォルニア州サンタクララ、1998年設立)は355nm UV固体レーザーの専門メーカーとして半導体ウェハマーキング・Via穴あけ・スクライビング・マイクロマシニングの分野で実績を持つ。2025年にカナダのLaseraxに買収され、SAMURAI UVウェハマーキングシステム・短パルスレーザーによる難削材(III-V族・GaN・SiC・サファイア)加工が主力製品だ。
| 企業名 | DPSS Lasers, Inc.(a Laserax Company) |
|---|---|
| 本社所在地 | 米国・カリフォルニア州サンタクララ |
| 設立 | 1998年(2025年にLaseraxが買収) |
| 主要製品 | 355nm UV DPSS(ダイオード励起固体)レーザー・SAMURAIウェハマーキングシステム |
| 対応素材 | Si・GaAs・InP・GaN・SiC・サファイア・CVDダイヤモンド・ガラス |
| 特許 | イオンエネルギー・プラズマ制御技術関連特許を多数保有 |
半導体製造でUVレーザーが選ばれる理由
半導体ウェハの加工では、波長が短いほど加工精度(スポット径)が向上し、熱影響ゾーン(HAZ)を最小化できる。355nm(UV)レーザーは1064nm(IR)・532nm(グリーン)と比べて熱損傷が少なく、極微細加工が可能なため、直接書き込み(ダイレクトライト)・マーキング・Via穴あけ・スクライビング等の高精度加工に適している。
ポイント:III-V族化合物半導体(GaAs・InP・GaN)やSiCは結晶の脆性・硬度・熱伝導率がシリコンと大きく異なり、機械的ダイシングでは欠けが生じやすい。DPSS Lasersの短パルスUVレーザーはこうした難削材料の非熱的(フォトアブレーション)加工を可能にし、次世代デバイスの量産化を支援する。
主要製品とアプリケーション
① SAMURAIウェハマーキングシステム
半導体ウェハには製造ロット管理のためにDot Matrix・バーコード・2Dコードをレーザーでマーキングする工程がある。DPSS Lasersが開発した「SAMURAI UV」は355nm UVレーザーを用いた世界初のUV専用ウェハマーキングシステムとして、シリコンウェハのSEMI規格対応マーキングを高速・高品質で実現する。
② ダイレクトライト・リペア技術
液晶ディスプレイ・半導体マスク・フォトマスクの欠陥箇所をUVレーザーで直接修復する「ダイレクトライト・リペア」技術を提供する。不良マスクを修復することで廃棄コストを削減し、歩留まりを最大95%回収できるとされ、フォトマスク高価格化が続くなかで需要が高まっている。
③ 化合物半導体・難削材のスクライビング・Via穴あけ
GaN-on-SiC・GaAs・InP・ガラス・CVDダイヤモンドの切断・穴あけにDPSS LasersのUVレーザーが採用されている。短パルス(ナノ秒〜ピコ秒)照射により熱影響を抑えたアブレーション加工を実現し、チッピング・クラック・デラミネーションを最小化する。
Laserax買収による戦略的位置づけ
2025年のLaserax(カナダ)によるDPSS Lasers買収は、LASERSの量産マーキング技術とDPSSの半導体・ハイテク分野特化UVレーザー技術の融合を目指したものだ。EV・車載半導体の製造ラインにおけるレーザーマーキング需要は急増しており、グループとしての半導体製造装置市場での競争力が高まる。
投資・M&A視点での評価
半導体向けUVレーザーシステムは化合物半導体(SiC・GaN)の量産拡大・Advanced Packaging(FCBGAなど)のVia穴あけニーズにより構造的成長市場にある。Laseraxグループの一員となったDPSS Lasersはグローバル製造業向けレーザーマーキング市場と半導体特化UVレーザーの両輪で成長機会を持つ企業として評価できる。詳細は半導体業界の全体構造を読むも参照。
※本記事は公開情報をもとに作成した分析・解説記事です。投資判断等の根拠として使用する場合は、必ず一次情報をご確認ください。情報は執筆時点のものであり、最新状況とは異なる場合があります。
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