この記事のポイント:CLEAN & SCIENCEは1973年創業の韓国フィルタ・濾材専業メーカーで、0.1μm基準で99.999%以上の粒子捕捉効率を持つULPAフィルタをはじめ、半導体・LCD・医薬品向けクリーンルーム用フィルタをグローバルに供給する。フィルタ用濾材(メルトブロー・サーマルボンド等)の自社開発から完成品製造まで一貫体制を持つ独立系サプライヤーである。
| 正式社名 | CLEAN & SCIENCE Co., Ltd.(クリーン&サイエンス) |
|---|---|
| 本社所在地 | 大韓民国(韓国) |
| 設立 | 1973年(50年以上の業歴) |
| 事業領域 | 産業用フィルタ・濾材の開発・製造・販売 |
| 主力製品 | クリーンルーム用ULPA/HEPAフィルタ、FFU用フィルタ、ガスタービン用フィルタ、マスクフィルタ |
| 主要顧客産業 | 半導体・LCD・医薬品・一般産業・家電 |
| 公式サイト | cands.co.kr |
クリーンルームにおけるフィルタの役割と半導体製造への影響
半導体ウェハ上に回路を描くフォトリソグラフィ工程では、空気中の微粒子(パーティクル)がウェハに付着するだけで致命的な欠陥(歩留まり低下)を引き起こす。このためクリーンルームは、外部空気から粒子を99.97〜99.999%以上除去するHEPA・ULPAフィルタによって常時清浄化されている。
ポイント:クラス100(ISO5)以下のクリーンルームでは、0.1μmの微粒子に対して99.999%以上の捕捉効率を持つULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタが使用される。フィルタは消耗品として定期交換が必要であり、ファブの稼働期間を通じて継続的な需要が発生するストック型ビジネスの構造を持つ。
CLEAN & SCIENCEの事業構造と競争優位
① 濾材(メディア)の自社開発・製造能力
CLEAN & SCIENCEの最大の差別化は、フィルタの心臓部である濾材(フィルタメディア)を自社で開発・製造できる点にある。メルトブロー不織布・エレクトロスタティック不織布・サーマルボンド・ニードルパンチ等の多様な濾材製造技術を保有し、完成品フィルタまでの垂直統合体制を確立している。これにより品質制御の自由度と原価競争力の両立が可能となっている。
② ULPA・HEPAフィルタの高性能化への対応
0.3μm基準で99.97%以上の捕捉効率(HEPA)から、0.1μm基準で99.999%以上(ULPA)まで対応するフィルタラインナップを持ち、Class 100以下のクリーンルーム要件を満たす高性能品を製品化している。半導体の微細化が進むほどより厳しいクリーン度が必要となり、ULPA領域へのシフトはCLEAN & SCIENCEにとって製品高付加価値化の機会となる。
③ FFU(ファンフィルタユニット)向け供給
FFU(Fan Filter Unit)はクリーンルームの天井に設置され、高清浄空気をダウンフロー方式で供給する核心ユニット。FFU向けの大面積・均一性の高いULPAフィルタはCLEAN & SCIENCEの主力製品の一つ。新ファブ建設時・既設ファブ増設時のFFU大量設置、および定期交換需要の両方を取り込む。
市場環境と成長ドライバー
半導体ファブへの投資は2025年以降も継続しており、CHIPS法(米国)・EU半導体法・日本のラピダス・台湾TSMCの各拠点建設がクリーンルームインフラ需要を牽引している。クリーンルームの新設は初期フィルタ導入の大型需要を生み出し、稼働開始後は交換需要が持続する。フィルタ市場は景気変動に対して相対的に安定した収益構造を持つことが特徴。
投資・M&A視点での評価
フィルタ専業メーカーは、素材技術・製造ノウハウ・顧客認定が参入障壁となるニッチ構造。CLEAN & SCIENCEは1973年からの長い業歴と一貫生産体制により、韓国クリーンルームフィルタ市場での地位を築いている。半導体クリーンルームインフラの統合サプライヤーを目指す大手空調機器メーカー・環境システム企業、あるいはフィルタコングロマリット(Camfil・Mann+Hummel等)のポートフォリオ補完としてのM&A対象候補となりうる。詳細は半導体業界の全体構造を読むも参照。
※本記事は公開情報をもとに作成した分析・解説記事です。投資判断等の根拠として使用する場合は、必ず一次情報をご確認ください。情報は執筆時点のものであり、最新状況とは異なる場合があります。
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