この記事のポイント:CI SEMIは非接触光学方式による半導体ウェハのプロセス温度をリアルタイム監視するセンサを専門とする企業。高温・真空・腐食性環境のウェハプロセスにおいて、接触型計測が不可能な場面での精密温度管理を実現し、製造歩留まりと品質安定性の向上に貢献する。
| 企業名 | CI SEMI |
|---|---|
| 主力製品 | 非接触光学ウェハ温度センサ・プロセス温度監視システム |
| 計測方式 | 光学式(放射温度計・光学高温計等)非接触計測 |
| 主要用途 | 拡散炉・CVD・RTP(急速熱処理)・エッチング装置内ウェハ温度計測 |
| 技術的特長 | 真空・高温・腐食環境下でのリアルタイム温度監視 |
なぜウェハプロセス温度の非接触計測が重要なのか
シリコンウェハの熱処理工程(酸化・拡散・アニール等)では、温度の精密制御が製品品質を直接左右する。例えば、イオン注入後のアニール工程では±5℃以内の温度均一性がトランジスタ特性の均一化に必要とされる場合がある。しかし、高真空・腐食性ガス・1,000℃超の高温環境では、従来の熱電対等の接触型温度センサを直接ウェハに取り付けることは不可能または非現実的である。
ポイント:非接触光学温度計測(放射温度計・光高温計)は、物体から放射される赤外線・可視光を捉えて温度を算出する技術。ウェハを汚染せず・破壊せず、かつリアルタイムで温度をフィードバック制御システムに入力できる点が半導体プロセスに適している。
CI SEMIの製品・技術の特徴
① プロセス内リアルタイム温度監視
CI SEMIの光学センサは、ウェハが装置チャンバー内にある状態でリアルタイムに温度を計測・監視する。RTP(Rapid Thermal Processing:急速熱処理)装置では、ランプ加熱により数秒以内に1,000℃以上まで温度を上昇させるが、この動的な温度プロファイルを精密に制御するためにリアルタイム光学温度計測は不可欠である。
② 腐食環境・真空への対応
エッチング装置・CVD装置内はフッ素系・塩素系ガスが充満する腐食性環境。CI SEMIのセンサは耐腐食性の光学窓・ファイバー材料設計により、装置外部から光学的にウェハ温度を計測できる設計となっている。チャンバーに穴を開けて光学プローブを挿入し、腐食性環境下でも長寿命を実現する設計が採用されている。
③ 半導体装置メーカーへのOEM供給
CI SEMIのセンサは単品販売だけでなく、半導体製造装置メーカーへのOEM供給形態でも展開されると見られる。RTP装置・縦型拡散炉・プラズマエッチング装置等の標準部品として組み込まれることで、装置の納入とともに市場に浸透するチャネル戦略が可能となる。
半導体プロセス制御の高度化と温度センサ市場
先端半導体(3nm以下・EUV世代)では、熱処理の窓(許容温度範囲)が従来世代より狭くなっており、温度制御精度への要求が一段と厳しくなっている。SiC・GaNなどのワイドバンドギャップ半導体の製造では、さらに高温プロセスが必要であり、対応できる温度センサの需要が新たに生まれている。
また、AIを用いたAPC(Advanced Process Control)の普及に伴い、温度センサからのリアルタイムデータをAIモデルに入力してプロセスパラメータを動的最適化するアーキテクチャが広まりつつある。高精度温度センサはAIプロセス制御の入力データ品質を決定する基盤要素として、より重要な位置を占めるようになる。
投資・M&A視点での評価
プロセス制御センサは半導体装置のサブシステムとして、装置メーカーによる垂直統合(内製化)あるいはティア1サプライヤー化の対象となりやすい。CI SEMIのような非接触光学温度計測の専門企業は、大手計測・センサ企業(Therma-Wave、Veeco、KLA Tencorなど)のポートフォリオ補完として買収対象になり得る。特にSiC/GaN製造向けの高温プロセス計測は、EV用パワー半導体需要の拡大とともに市場成長が見込まれるセグメントとして注目される。詳細は半導体業界の全体構造を読むも参照。
※本記事は公開情報をもとに作成した分析・解説記事です。投資判断等の根拠として使用する場合は、必ず一次情報をご確認ください。情報は執筆時点のものであり、最新状況とは異なる場合があります。
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