この記事のポイント:Brooks Automation US, LLC(米国)はウェハ搬送・自動化装置の世界的プレイヤーで、EFEM(Equipment Front End Module:前工程ウェハ移載ユニット)と真空搬送ロボットを主力製品とする。世界シェア約13%(2025年推定)、世界6,500台超のウェハ搬送ロボット導入実績を持ち、2024年に新型真空搬送プラットフォームを発表(移載速度18%向上、汚染低減効率92%超)。sub-7nmプロセス向け真空搬送に強い。
| 正式社名 | Brooks Automation US, LLC |
|---|---|
| 国・地域 | 米国(マサチューセッツ州チェルムズフォード) |
| 主力製品 | EFEM(ウェハ移載モジュール)、真空SCARАロボット、大気搬送システム、自動化ソフトウェア |
| 世界シェア(推定) | 約13%(2025年、半導体ウェハ搬送システム市場) |
| 導入実績 | 世界6,500台超のウェハ搬送ロボット(一部機種は移載サイクル3.5秒未満) |
| 直近動向 | 2024年:新型真空搬送プラットフォーム発表(速度18%向上・汚染低減92%超) |
| 半導体バリューチェーン上の位置 | 前工程・装置内ウェハ自動搬送(EFEM・真空ロボット) |
EFEMと真空搬送ロボットが半導体製造で担う役割
半導体の前工程(ウェハ製造)では、フォトリソグラフィー・CVD・エッチングなど多数のプロセス装置間をウェハが移動する。EFEM(Equipment Front End Module)は各装置の入口に設置され、FOUPと呼ばれるウェハカセットから装置内へウェハを自動移送するモジュールだ。真空搬送ロボットは装置内のクラスタツール(複数チャンバー)間でウェハを真空環境のまま搬送し、大気への暴露を防ぐ。ウェハの汚染・破損リスクを最小化しながら高速・高頻度に搬送するこの技術は、300mmウェハ時代の量産ラインには不可欠なインフラだ。
Brooksの真空SCАRAロボットは主にエッチング・CVD工程のクラスタツールに組み込まれ、sub-7nm対応の54%超の設置シェアを持つ。2024年発表の新プラットフォームは移載速度18%向上と汚染低減効率92%超を達成し、先端ロジック・DRAM向けの需要増に対応する。
Brooks Automationの事業分離の歴史と現在
Brooks Automationは自動化部門(半導体搬送)とライフサイエンス部門を持っていたが、2021年に事業分割を実施。半導体自動化事業は現在も「Brooks Automation」ブランドで継続し、ライフサイエンス部門はAzenta, Inc.として独立した。この分割により半導体搬送に特化した経営資源配分が可能となり、競争力の集中が図られている。
ウェハ搬送市場の競争構造
ウェハ搬送市場では日本のRORZE Corporation(世界シェア約16%、300mm中心)がトップに立ち、Brooks(約13%)、Daihen、Hirata、ニデック(旧Genmark Automation)等が続く。日系・韓系装置メーカーとの垂直統合型採用も多く、独立系サプライヤーとしてのBrooksはAMAT・LAM・TEL等の大手装置メーカーへの供給実績で地位を確立している。
投資・M&A視点での位置づけ
半導体搬送自動化は前工程装置の高額化・複雑化とともにその重要性が増す。半導体業界の構造において搬送自動化はプロセス装置メーカーの「隠れた必需品」として安定した需要を生み、CHIPS法による米国Fab新設は搬送システム需要の追い風となる。装置内搬送ロボットはFabライフサイクルにわたりアップグレード・保守サービスの継続需要も生み、ストック型の収益貢献が期待できる。
※本記事は公開情報をもとに作成した分析・解説記事です。投資判断等の根拠として使用する場合は、必ず一次情報をご確認ください。情報は執筆時点のものであり、最新状況とは異なる場合があります。
関連記事
テックメディックス総研株式会社 | 半導体業界コンサルティング
半導体サプライチェーン調査・M&Aデューデリジェンス・市場参入戦略など、専門的なコンサルティングサービスを提供しています。
📊 M&A・投資視点のより深い企業分析はnoteで公開中
→ 半導体業界動向マガジン(高野聖義)
🏢 半導体業界へのM&A・参入・コンサルティングをご検討の方
→ 初回相談無料|テックメディックス総研株式会社

コメント