この記事のポイント:Basler(独)はマシンビジョン用産業用カメラの大手メーカーで、半導体分野ではウェハ全面検査、ウェハプローバのアライメント、SWIRカメラによるウェハ接合検査などに展開している。SWIR(短波赤外)カメラはシリコンを透過して撮像できるため、ウェハを非破壊のまま接合界面やアライメントマークを確認できる点が強み。
| 正式社名 | Basler AG |
|---|---|
| 国・地域 | ドイツ |
| 事業ドメイン | 産業用マシンビジョンカメラ(エリアスキャンカメラ、SWIRカメラ等) |
| 半導体向け主要用途 | ウェハ全面撮像(Full Wafer Imaging)、ウェハプローバアライメント、ウェハ接合・ボンディング検査 |
| 中核技術 | 5.2MP SWIRカメラ(シリコン透過撮像、1μm精度のアライメント検出) |
| 半導体バリューチェーン上の位置 | 前工程・後工程検査装置部材(イメージングシステム) |
なぜウェハ検査に「SWIRカメラ」が必要なのか
ウェハプローバによるテストでは、パッド間隔25μm以下、1ウェハあたり15万点を超える接触点に対して、ウェハの反り・熱ドリフトを補正しながらミクロンレベルの座標補正を行う必要がある。従来の可視光カメラではシリコンを透過できないため、ウェハ内部や接合界面のアライメントマークを確認することが難しいという制約があった。
Baslerの5.2MP SWIR(短波赤外)カメラは、シリコンを透過する波長の光を用いることでウェハを通した高コントラスト撮像を実現し、1μm精度でのウェハ接合・ボンディング検査やアライメント検出を可能にしている。
マシンビジョン専業メーカーの半導体分野への展開
Baslerはもともと産業全般向けのマシンビジョンカメラメーカーとして発展してきたが、半導体ウェハの大型化(パネルレベルパッケージング等)とシリコンウェハ・ガラスパネルの高解像度・高速・高信頼性要求の高まりに対応する形で、半導体専用ソリューションのポートフォリオを強化している。GigE・USB 3.0・CoaXPressなど複数の通信規格に対応するカメラ群を持つことで、装置メーカーの設計自由度に応える体制を整えている。
検査・アライメント市場における位置づけ
ウェハ検査・アライメント用のイメージングシステムは、欠陥検出装置メーカー(Camtek等)やプローバ装置メーカーへの組み込み供給という形が中心となる。Baslerはカメラという「目」の部分に特化することで、装置メーカー各社の検査・アライメントシステムに広く採用される、コンポーネントサプライヤーとしての事業モデルを構築している。
投資・M&A視点での位置づけ
先端パッケージング(3D実装、チップレット、ウェハレベルパッケージング)の進展により、ウェハ接合・アライメントの精度要求はますます高度化している。半導体業界の構造における検査・計測装置部材セグメントの中でも、マシンビジョンという汎用技術を半導体特化用途へ転用するBaslerの事例は、異業種から半導体装置部材市場への参入パターンを考える上で参考になる。
※本記事は公開情報をもとに作成した分析・解説記事です。投資判断等の根拠として使用する場合は、必ず一次情報をご確認ください。情報は執筆時点のものであり、最新状況とは異なる場合があります。
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