【2026年10月】Samsung、7〜9月期は営業利益107.4兆ウォンと速報──HBM4と汎用DRAM高騰で、メモリが「量より価格」で稼ぐ産業に変わる構造

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結論:サムスン電子が2026年10月8日に公表した7〜9月期の速報値(連結)は、営業利益が約107.4兆ウォン(前年同期比約783%増)、売上高が約195兆ウォン(同126.6%増)でした。韓国企業として四半期の営業利益が初めて100兆ウォンを超えた形です。ただし本質は「HBM4が立ち上がった」ことだけではありません。汎用DRAMの値上がりと長期契約の拡大によって、メモリ全体の収益構造が変わりつつある点にあります。なお数値は速報ベースで、確定値は10月29日に発表予定とされています。

目次

何が発表されたのか:全社利益は「メモリー一本足」

営業利益は市場のコンセンサス(約106.6兆ウォン)をわずかに上回り、売上高は予想(約200.6兆ウォン)をやや下回りました。為替のウォン高による押し下げ懸念があったなかでの上振れです。部門別では、メモリー事業の営業利益をアナリストが約110兆ウォンと推定しており、全社の営業利益を上回っています。つまり、スマートフォンなどのDX部門は赤字、ファウンドリ事業も稼働率の低さから赤字が続く見通しと報じられており、メモリーがそれ以外の赤字を丸ごと吸収している構図です。

DX部門の赤字幅については、証券各社の予想が約1.1兆〜2.6兆ウォンと幅があります。メモリー価格の高騰は、同じ会社のスマートフォン事業にとっては部品コストの上昇という逆風でもあります。一つの企業の中で、メモリーの利益とセット製品の苦戦が同時に起きている点は、今の市況の歪みをよく表しています。

利益を押し上げた3つの要因

第一にHBM4です。NVIDIAの次世代AIプラットフォーム「Vera Rubin」向けの出荷が本格的に寄与したとみられ、ロイター報道ではHBMのビット出荷量は前期比で約50%増と見込まれています。第二に汎用DRAMの価格上昇です。スマートフォンやPC向けは供給逼迫で価格が大きく上がった一方、ビット出荷量は前期比でほぼ横ばいと予想されています。つまり今回の増益は「売る量」ではなく「売る価格」で稼いだ部分が大きいということです。

第三に長期契約(LTA)の比率拡大です。価格変動の影響を和らげ、利益の持続性を高めると市場では見られています。この動きはサムスンだけではなく、SK hynixが営業利益率80%と「2030年まで需要超過」の見方を示した件でも確認できます。メモリが「市況に左右される商品」から「数年単位で供給を確保する産業」へ移る流れです。

構造的に何が起きているか:供給を奪い合う側が変わった

構造を整理すると、メモリメーカーが生産能力をAI向けのサーバー用DRAMやHBMへ振り向けた結果、汎用品の供給が細り、そのしわ寄せがモバイルなどの顧客に及んでいます。IDCによれば2026年4〜6月期の世界スマートフォン出荷は前年同期比7.4%減で、メモリ不足が背景のひとつとされています。Meritz証券のアナリストは、供給制約は2027年にさらに顕著になるとの見方を示しています。

AI半導体の制約が複数の工程に広がっている点も重要です。後工程ではTSMCがCoWoSを最大20%値上げ検討と報じられた件があり、需要側ではOracleがNVIDIA以外のGoogle TPUやCerebrasも採用すると報じられた件のように、調達先の分散も進んでいます。ボトルネックが「GPU」から「メモリ・後工程・装置」へ移るなか、メモリ各社は価格交渉力を一段と強めています。

ここで見落としやすいのは、価格交渉力の源泉が一時的な品不足だけではないことです。新しい生産ラインの建設には年単位の時間がかかり、先端プロセスの歩留まり改善にも時間が必要です。そのため供給は急には増えず、買い手は将来分まで数量を確保しようとします。この「先に押さえる」行動が長期契約を増やし、さらに価格を下支えするという循環が生まれています。

リスクと今後の注目点

懸念材料としてロイターは、コスト上昇、中国勢との競争激化、米国の半導体関税が長期的な収益性を圧迫しうると指摘しています。また値上げを受け入れる側のスマートフォン・PCメーカーにも限界があり、需要の減少が価格に跳ね返る可能性は残ります。確定値で見るべき点は、HBM4の売上構成、2027年向け長期契約の進み具合、そして設備投資の増額幅の三つです。

事業会社や投資家の視点では、メモリ供給の確保が装置・材料・後工程への投資判断に波及する点が実務上のポイントです。関連する動きとして、Samsung、7〜9月期の営業利益は107.4兆ウォンの速報、Samsung電機、FC-BGA基板に総額6.78兆ウォン投資と報道、米商務省、CHIPS法のR&D資金で核融合・縦型GaN・石英の4社に最大3.89億ドルの意向書と発表、TrendForce、HBMは「8層が2027年後半に主流」と報道も合わせて確認すると、業界全体の資金と能力の流れが見えやすくなります。

なお、本記事の数値は速報および報道に基づくもので、確定値や各社の公式発表により変わる可能性があります(報道ベース)。

出典:TrendForce「Samsung Sees 3Q26 Operating Profit Soaring 783% to Record KRW 107.4 Trillion」(2026年10月8日)/The Korea Times「Samsung Electronics 1st Korean firm to top W100 tril. in quarterly operating profit」(2026年10月8日)/Reuters報道(上記TrendForce記事による引用、2026年10月)/TrendForce「SK hynix 3Q26 OPM Hits Record 80%」(2026年10月28日)


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