【2026年10月】SK hynix、7〜9月期は売上104.6兆ウォン・営業利益83.3兆ウォンと発表──営業利益率80%と「2030年まで需要超過」の見方で、メモリが長期契約型の産業に変わる構造

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結論:SK hynixが2026年10月28日に発表した7〜9月期決算(K-IFRS連結・暫定)は、売上高104.6兆ウォン、営業利益83.3兆ウォン、営業利益率80%でした。注目すべきは数字の大きさそのものより、同社が「需要が供給を上回る構造は2030年まで続く」との見方を示し、2027〜2028年の生産能力の50%超を長期契約で押さえたと説明した点です。メモリは「市況に振り回される商品」から「長期契約で需給を固定する産業」へ構造が変わりつつあります。

目次

決算の中身:売上は初の100兆ウォン台、利益率は80%

会社発表によると、売上高は104.6155兆ウォンで前期比32%増、前年同期比328%増となり、四半期売上として初めて100兆ウォンを超えました。営業利益は83.3338兆ウォン(前期比38%増、前年同期比632%増)、営業利益率は前期の76%から80%に上昇しています。当サイトでは決算前に「営業利益は約77兆ウォンの予想」という観測を取り上げましたが(SK hynix、7〜9月期営業利益は約77兆ウォンの予想)、実績はそれを上回る水準でした。

一方、純利益は39.7756兆ウォンで、前期の93.9226兆ウォンから58%減っています。営業利益が増えているのに純利益が大きく減る点について、会社の発表資料は要因を明示していません。営業外損益の影響などが考えられますが、本稿では推測にとどめ、確認できた事実だけを扱います。

何が利益を押し上げたか:サーバーDDR5とHBM4の同時立ち上がり

DRAMでは、サーバー向けDDR5の販売が大きく伸び、HBM4の出荷が本格化したと説明されています。会社は、第4四半期にHBM4の出荷量・売上がHBM3Eを上回る見通しとしており、世代交代が一気に進みます。NANDでも321層TLCのeSSD販売が増え、データセンター向け製品が全般的に伸びました。321層プロセスは第4四半期に国内NAND生産能力の半分超になる計画です。

汎用DRAMの価格上昇もこの背景にあります(TrendForce、4Q26のDRAM契約価格の見通し)。HBMだけでなく汎用DRAMも逼迫しているため、メモリ各社の利益が同時に膨らむ構図です。競合のSamsungも同期の暫定営業利益を107.4兆ウォンと発表しており(Samsung、7〜9月期の暫定営業利益)、利益がメモリに集中する流れは1社に限った話ではありません。次世代品でも、HBM4Eの公開が報じられるなど(SK hynix、HBM4Eを公開と報道)、開発競争は続いています。

構造的な変化:「2030年まで需要超過」と長期契約

今回もっとも示唆的なのは、会社が「需要が供給を上回る構造は2030年まで続く」との見方を示したことです。さらに、14社の主要顧客との長期契約が2027〜2028年の生産能力の50%超をカバーしていると説明しています。メモリは従来、価格が数四半期で上下するシリコンサイクルの代表例でした。顧客が数量と期間を先に確保する契約が増えれば、売上の変動は小さくなり、供給側の設備投資の見通しも立てやすくなります。

ただし、これは会社側の見立てであり、実際に需給が2030年までひっ迫し続けるかは別問題です。AI向け設備投資が減速すれば前提は崩れます。主要クラウド事業者の投資計画(TrendForce、主要CSPの設備投資は2027年に)や、HBMの世代構成(TrendForce、HBMは「8層が2027年後半に主流」)が、この見立ての試金石になります。

株主還元と投資:100兆ウォン規模の還元、設備は来年さらに増加

会社は2026年の株主還元目標を約100兆ウォンとし、現金配当30兆ウォン以上、自社株買い・消却60兆ウォン以上(8月発表の40兆ウォンを含む)としました。7〜9月期の現金配当は14兆ウォン(1株20,000ウォン、うち10,000ウォンは特別配当でKioxia投資の利益を原資とする)、自社株買いは20兆ウォンです。このうち約10兆ウォンは消却され、残る約10兆ウォンは従業員報酬に充てられるため還元額には含まれません。期末の現金等は114.5兆ウォン、借入金15.8兆ウォンで、純現金は98.7兆ウォンです。

設備投資の金額は開示されていませんが、龍仁第1期の本格稼働などで来年は投資を大きく増やす方針です。製造装置メーカーの受注動向(Lam Research、7〜9月期の決算)やファウンドリの先端パッケージ価格(TSMC、7〜9月期は過去最高益)とあわせて見ると、AIメモリの利益が装置・後工程へ波及する流れが読み取れます。

M&A・投資の視点で見るポイント

純現金約99兆ウォンと80%の営業利益率を持つ企業は、設備投資・株主還元・戦略投資のいずれにも大きな余力があります。一方で、利益がメモリに集中するほど、装置、材料、後工程、顧客側のバランスは崩れやすくなります。半導体の企業分析では、売上の大きさよりも「長期契約でどこまで需給が固定されているか」を見ることが重要になっています。

出典:SK hynix「SK hynix Announces 3Q26 Financial Results」(SK hynix公式ニュースルーム、2026年10月28日。K-IFRS連結・暫定、外部監査前の数値)。本稿の数値は同社発表に基づき、2030年までの需給見通しや長期契約の比率は会社側の説明です。


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