FOWLP・FOPLPとは?TSMCのInFOが切り拓いたファンアウトパッケージ【2026年版】

専門用語サムネ

結論:FOWLP(Fan-Out Wafer Level Packaging)は、チップの外側まで配線を「扇状に広げる」ことでパッケージ基板なしに多ピン化を実現する技術。TSMCのInFOがiPhone向けAPで量産化し先端パッケージの主役となった。パネルで大面積化するFOPLPはコスト競争の次の主戦場だ。

目次

FOWLPとは何か

従来のWLP(ウェーハレベルパッケージ)はチップ面積の内側にしか端子を配置できず(ファンイン)、多ピン化に限界があった。FOWLPはチップを一度ウェーハから切り出し、モールド樹脂で再構成した疑似ウェーハ上に再配置することで、チップの外側の領域にもRDL(再配線層)と端子を展開できる。パッケージ基板を省略できるため薄型・低コストで、電気特性と放熱にも優れる。

TSMC InFOが変えた勢力図

FOWLPを一躍主役に押し上げたのがTSMCのInFO(Integrated Fan-Out)だ。2016年にiPhone向けアプリケーションプロセッサで量産採用され、それまでOSATの領域だったパッケージングをファウンドリが取り込む転換点となった。以降、ASE・Amkor・JCETなどOSAT各社もファンアウト技術を展開し、高性能版はシリコンインターポーザを使うCoWoSと住み分けながらAI・モバイルの両輪を支えている。

FOPLP──パネルレベル化の挑戦

FOPLP(Fan-Out Panel Level Packaging)は、円形ウェーハの代わりに600mm角などの矩形パネルで一括加工することで面積利用率を高め、コストを大幅に下げるアプローチだ。SamsungはGalaxy Watch向けAPで量産実績を作り、力晶系のPTI(Powertech)や群創系も参入。ガラス基板・パネル向けの露光・搬送・モールド装置で日本・台湾装置メーカーの開発競争が激化している。

投資・M&A視点

ファンアウトは「パッケージ基板を使わない」技術のため、普及すればABF基板メーカーには逆風、モールド材・再配線用装置・パネル装置メーカーには追い風という構造的なインパクトを持つ。TSMC・Samsungの内製化とOSATの追随という競争軸に加え、AI半導体の大型パッケージ需要でFOPLPの技術的難所(反り・位置精度)を解決した企業が次の勝者となる。装置ではウシオ電機(露光)、TOWA(モールド)などが注目される。


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