結論:バックグラインディングは、ウェーハの裏面を研削して厚さを数百μmから数十μm(HBM用途では30μm台)まで薄くする工程。チップ積層時代の必須技術であり、研削装置はディスコ・東京精密の日本2強が支配。薄くなるほど割れやすく、搬送・保護技術が価値を持つ。
バックグラインディングとは何か
シリコンウェーハは製造中の強度確保のため775μm(300mm)の厚みがあるが、パッケージには薄いほど有利だ。バックグラインディングでは、回路面に保護テープ(BGテープ)を貼ってウェーハを反転し、ダイヤモンド砥石で裏面を粗研削・仕上げ研削して所定の厚さまで薄化する。研削後の裏面には微細なダメージ層が残るため、ドライポリッシュやCMP、ウェットエッチングで応力を除去し、チップの抗折強度を回復させる。
積層時代の超薄化競争
HBMでは12〜16段のDRAMを積むため1枚あたり30〜40μm、NANDの多段パッケージでも同水準の薄さが要求される。この薄さでは紙のようにウェーハが撓むため、サポートガラスに貼り付けて加工するWSS(ウェーハサポートシステム)や、外周を残して内側だけ削るディスコのTAIKOプロセスなど、割れを防ぐ周辺技術が発達した。薄化はTSVプロセスとも一体で、研削→TSV露出→裏面配線の一貫加工が求められる。
装置・材料プレーヤー
グラインダはディスコと東京精密の2強で、砥石ホイールも両社系列が供給する消耗品ビジネスだ。BGテープは日東電工・三井化学・リンテックが高シェアを持ち、仮貼り接着材(TSV/WSS用)では東京応化・レゾナック・3Mが競う。搬送・洗浄・応力除去まで含めた一貫ラインの提案力が競争軸になっている。
投資・M&A視点
薄化工程はHBM・3D積層の増産と正比例で伸びる「AI直結の後工程」だ。装置2強は安定だが、テープ・仮貼り材・サポートガラス(コーニング、AGC)など材料側に成長余地が大きく、日系材料メーカーの増産投資が続く。チップレット化で1パッケージあたりの研削面積が増えることも追い風で、後工程材料は半導体材料M&Aの最活発領域の一つとなっている。
👉 関連記事:
◆ M&A・投資視点のより深い企業分析はnoteで公開しています
→ 半導体業界動向マガジン(高野聖義)
◆ 半導体業界へのM&A・参入・コンサルティングをご検討の方
→ 初回相談無料|テックメディックス総研株式会社

コメント