EMI企業分析|半導体実装向けUV硬化エポキシ接着剤

半導体企業分析

この記事のポイント:Electronic Materials Inc(EMI、米国・1985年創業)は「世界有数のUV硬化接着剤・エポキシメーカー」と称され、半導体パッケージング・HDD・光デバイス組み立てに使われるUV硬化型・熱硬化型エポキシ系接着剤の専門企業。EMCAST・CHIPSHIELD・mCASTの各ラインは、チップのグロブトップ保護・アンダーフィル封止・表面実装接着剤として、半導体後工程の「接着と封止」という地味だが欠かせない役割を担う。

企業名 Electronic Materials Inc(EMI)
本社所在地 米国
創業 1985年(Edward Salmon氏創業)
主要製品ライン EMCAST(UV/熱硬化エポキシ)・CHIPSHIELD(グロブトップ)・mCAST
用途 グロブトップ封止・アンダーフィル・表面実装接着剤・コンフォーマルコーティング・光学接着
主要市場 半導体後工程・HDD・光デバイス・医療機器
目次

UV硬化エポキシ接着剤が半導体後工程に欠かせない理由

半導体チップは前工程(ウェハ製造)で完成した後、ダイシング→ダイボンディング→ワイヤーボンディング→封止→テストという後工程(パッケージング)を経て完成品になる。この後工程で接着剤は至る所に登場する。チップを基板に固定するダイボンディング、チップとリード線の保護・封止に使うグロブトップ、BGAパッケージのアンダーフィル——これらすべてに高機能エポキシ接着剤が使われる。EMIはこの後工程接着剤市場を30年以上専門に手がけてきた。

ポイント:UV硬化型接着剤の最大の利点は硬化速度だ。UVライトを照射してから数秒〜数十秒で硬化が完了し、ライン生産速度(UPH:Units Per Hour)を熱硬化比で大幅に向上できる。高速パッケージング工程では接着剤の硬化速度がライン全体のボトルネックになるため、UV硬化の採用は生産性に直結する

主要製品ライン

① EMCAST——UV/熱硬化エポキシシリーズ

EMCAST 1900シリーズは100%固形分・無溶剤で長波長UVで硬化するコンフォーマルコーティング用エポキシ。半導体実装基板の環境保護・防湿コーティングとして採用される。溶剤ゼロで揮発性有機化合物(VOC)を出さないため、クリーンルームへの適合性が高い

② CHIPSHIELD——グロブトップ封止剤

ベアチップを直接基板に実装したCOB(Chip On Board)構造でのチップ保護に使われる。グロブトップはチップ上にドーム状に塗布・硬化させることでチップを機械的衝撃・湿気・汚染から守り、パッケージなしの低コストチップ実装を可能にする。IoTデバイス・ウェアラブル・カメラモジュールのチップ保護に多用される。

③ OPTOCAST——光学接着剤

光ファイバー・レンズ・プリズムの光学的接合に使われる透明度の高いUV硬化型接着剤。屈折率の精密制御・低光学歪み・高透過率が求められる光デバイス(カメラレンズ・光センサー・光ファイバーカプラー)向けに設計されており、スマートフォンカメラの高機能化を支える素材の一つだ。

先端パッケージングとアンダーフィル需要の拡大

AI・HPC向けに採用が急加速するHBM(高帯域幅メモリ)やチップレット実装では、チップを積層・接続した後のアンダーフィル充填が不可欠だ。ダイ間のはんだバンプ接続を補強するアンダーフィル樹脂の需要は先端パッケージング拡大と比例して増加し、流動性・耐熱性・低収縮率を持つ高性能アンダーフィル材料の市場が世界的に拡大している

投資・M&A視点での評価

EMIは非上場の専業接着剤メーカーとして安定した地位を持つ。Henkel・MacDermid Alpha(アルファ)・AI Technology等の競合との差別化は「UV硬化専業・フォトニクス向け精密光学接着剤」の領域にあり、先端パッケージング・光デバイス市場の成長に乗るニッチ素材メーカーとして位置付けられる。詳細は半導体業界の全体構造を読むも参照。

※本記事は公開情報をもとに作成した分析・解説記事です。投資判断等の根拠として使用する場合は、必ず一次情報をご確認ください。情報は執筆時点のものであり、最新状況とは異なる場合があります。

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