結論:3D NANDはフラッシュメモリセルを垂直方向に積層した不揮発性メモリ技術。平面(2D)NANDの微細化限界を突破し、スマートフォン・SSD・データセンターストレージの容量増大を実現している。Samsung・SK Hynix・Kioxia・WDC・Micronが競争する市場だ。
NANDフラッシュとは
NANDフラッシュメモリは電源を切ってもデータを保持する不揮発性メモリで、フローティングゲートまたはチャージトラップ型トランジスタで電荷を保持してデータを記憶する。NAND論理ゲート配列を使ったセル配置が名称の由来だ。1セルに1ビット(SLC)・2ビット(MLC)・3ビット(TLC)・4ビット(QLC)を格納でき、多ビット化で容量コストを下げられるが書き換え耐久性は低下する。
2Dから3Dへ:積層の必要性
2D NAND(平面NAND)は微細化によって容量を増やしてきたが、20nm以下になるとセル間の干渉が増え信頼性が低下するという物理的限界に達した。そこでセルを平面に広げる代わりに垂直方向に積み重ねる3D NAND(Vertical NAND)が登場した。Samsungが2013年に24層の3D V-NANDを量産開始して以来、現在は200層超(Samsung・SK Hynix・Kioxiaで200〜300層超)まで積層数が増加している。
3D NANDの製造技術
3D NANDの製造では100〜300層以上の多層薄膜スタックに対してチャネルホール(縦方向の穴)をドライエッチングで一括形成する「高アスペクト比エッチング」が最大の技術難関だ。チャネルホール径は100nm以下・深さは10μm超に達し、垂直性・均一性の確保にLAM Researchのエッチング装置が活躍する。その後ALDで絶縁膜・チャネル半導体膜を積層し、Wプラグで配線する。積層数の増加に伴い工程数・製造コストが増大するため、各社の積層効率が競争力を左右する。
投資・M&A視点
NAND市場はDRAMと同様に景気循環が激しく、供給過剰時の価格下落が深刻だ。Samsung・SK Hynix・Kioxia(旧東芝メモリ)・Western Digital・Micron・YMTC(中国)が主要プレイヤー。KioxiaはWDとの統合交渉が長期化した末に2024年に東証上場を果たした。YMTCは米国制裁で先端品の輸出が制限されているが国内向け展開で技術力を蓄積している。SSDの普及とデータセンター拡大がNAND需要の長期成長を支える。
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