結論:ALDは、1原子層ずつ精密に薄膜を堆積する成膜技術。2nm以降の最先端プロセスでHigh-k膜・バリア層・シード層の形成に不可欠であり、装置市場はASM International・Applied Materials・LAM Researchが支配する。
目次
ALDとは何か
ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積法)は、前駆体ガスを交互に供給し、自己飽和反応を利用して1サイクルあたり1原子層(0.1〜0.3nm)の薄膜を堆積する技術だ。CVDが一気に膜を積むのとは異なり、ALDは「1層ずつ」確実に積むため、膜厚制御と段差被覆性(コンフォーマリティ)が格段に優れる。
1サイクルは①前駆体A供給→②パージ→③反応ガスB供給→④パージの4ステップ。これを繰り返すことで原子層単位の精密な膜形成が可能となる。
なぜ先端ノードで不可欠なのか
トランジスタの微細化が進むにつれ、ゲート絶縁膜・バリア層・キャップ層など各機能層が1〜5nmまで薄くなった。このレベルの膜厚はCVDでは制御困難であり、ALDが唯一の実用技術となる。HKMG(高誘電率メタルゲート)技術もALDなしには実現しない。主な用途は以下の通り:
- High-k絶縁膜:HfO₂などのゲート絶縁膜(2nm〜3nm)
- バリア層:Cu配線拡散防止のTaN/Ta層
- コンタクトホール埋め込み:高アスペクト比構造への均一な成膜
- GAA(Gate-All-Around)トランジスタ:2nm世代の新構造に対応
投資・M&A視点
ALD装置市場はASM International(オランダ)が高シェアを持ち、Applied Materials・LAM Researchが追随する。装置単価は数億円。先端ノードへの移行でALD工程数が増加するため、ASM Internationalは半導体装置メーカーの中で最も恩恵を受けるとされる。前駆体材料(有機金属化合物)ではMerck・Air Products・Versum Materialsなどが供給し、材料分野でも投資機会がある。
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