ALDとは?原子層単位で薄膜を積む先端半導体の成膜技術をわかりやすく解説【2026年版】

専門用語サムネ

結論:ALDは、1原子層ずつ精密に薄膜を堆積する成膜技術。2nm以降の最先端プロセスでHigh-k膜・バリア層・シード層の形成に不可欠であり、装置市場はASM International・Applied Materials・LAM Researchが支配する。

目次

ALDとは何か

ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積法)は、前駆体ガスを交互に供給し、自己飽和反応を利用して1サイクルあたり1原子層(0.1〜0.3nm)の薄膜を堆積する技術だ。CVDが一気に膜を積むのとは異なり、ALDは「1層ずつ」確実に積むため、膜厚制御と段差被覆性(コンフォーマリティ)が格段に優れる。

1サイクルは①前駆体A供給→②パージ→③反応ガスB供給→④パージの4ステップ。これを繰り返すことで原子層単位の精密な膜形成が可能となる。

なぜ先端ノードで不可欠なのか

トランジスタの微細化が進むにつれ、ゲート絶縁膜・バリア層・キャップ層など各機能層が1〜5nmまで薄くなった。このレベルの膜厚はCVDでは制御困難であり、ALDが唯一の実用技術となる。HKMG(高誘電率メタルゲート)技術もALDなしには実現しない。主な用途は以下の通り:

  • High-k絶縁膜:HfO₂などのゲート絶縁膜(2nm〜3nm)
  • バリア層:Cu配線拡散防止のTaN/Ta層
  • コンタクトホール埋め込み:高アスペクト比構造への均一な成膜
  • GAA(Gate-All-Around)トランジスタ:2nm世代の新構造に対応

投資・M&A視点

ALD装置市場はASM International(オランダ)が高シェアを持ち、Applied Materials・LAM Researchが追随する。装置単価は数億円。先端ノードへの移行でALD工程数が増加するため、ASM Internationalは半導体装置メーカーの中で最も恩恵を受けるとされる。前駆体材料(有機金属化合物)ではMerck・Air Products・Versum Materialsなどが供給し、材料分野でも投資機会がある。


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