半導体はどこで使われている?スマホ・自動車・AIデータセンターの活用例

← 半導体とは/基礎編へ

FOUNDATIONS 02 / USE CASES

半導体は、どこで使われているのか

スマートフォン、自動車、AIデータセンター、家電、工場。製品の中で半導体が担う役割を、機能ごとに読み解きます。

スマートフォン、自動車、データセンターで使われる半導体
計算・記憶・通信・電力制御・センシングを1つのシステムで連携

デジタル機器の中には、
役割の異なる半導体がある

半導体は、単に「計算するチップ」だけではありません。現実世界の温度や光を検知し、データを計算し、記憶し、通信し、モーターや電源を動かすまで、電子機器のほぼすべての機能に関わります。製品を見るときは、搭載個数だけでなく、どの半導体がどの機能を受け持つかを見ることが重要です。

読むポイント: 同じ製品の中でも、CPU・GPU、メモリ、マイコン、アナログ、パワー半導体、センサーは別々の仕事をします。半導体市場は、完成品の台数だけでなく「1台あたりの半導体の種類・性能・搭載価値」が増えることで成長します。
01 / SENSE光・音・温度・圧力・動きを検知
02 / CONVERTアナログ信号をデジタル情報へ変換
03 / COMPUTECPU・GPU・マイコンが判断と計算
04 / STORE & CONNECT情報を記憶し、有線・無線で送る
05 / ACTUATE電源・モーター・表示装置を制御
01

スマートフォン:小さな筐体に多種類の半導体

計算とグラフィックス

SoCにCPU、GPU、AI処理回路などを集積し、アプリの実行、画像処理、生成AI機能を担います。

SoCCPUGPUNPU

記憶と通信

DRAMが作業中のデータを保持し、NANDが写真やアプリを保存します。RF半導体は5G・Wi-Fi通信を支えます。

DRAMNANDRFWi-Fi

電力を効率よく配る

電源管理ICがバッテリーの電圧を各回路に合わせて変換し、充電、安全性、消費電力を管理します。

PMIC充電IC電池保護

周囲を認識する

イメージセンサー、加速度・ジャイロ、近接、指紋などのセンサーが人と環境の情報を取り込みます。

CMOSセンサーMEMS生体認証
02

自動車:走る・曲がる・止まるを電子制御

自動車では、エンジンやモーター、ブレーキ、車内ネットワーク、運転支援、インフォテインメントまで半導体が使われます。電動化と自動運転が進むほど、演算性能、電力変換、安全性への要求が高まります。

領域主な半導体役割
車両制御マイコンアナログICセンサー信号を読み、ブレーキ、ステアリング、車体をリアルタイム制御
電動パワートレインIGBT、SiCパワーMOSFET電池の直流電力を変換し、モーターや充電器を高効率に駆動
ADAS・自動運転SoC、GPU、センサーカメラ・レーダーなどの情報を統合し、周囲認識と判断を実行
車内ネットワーク通信IC、インターフェースIC多数のECUやゾーンコントローラー間でデータを送受信
03

AIデータセンター:計算だけでなく、記憶・通信・電力が鍵

AIアクセラレーター

GPUや専用ASICが、大量の行列演算を並列処理します。学習と推論では必要な性能や電力効率が異なります。

GPUASICCPU

広帯域メモリ

HBMやDRAMが演算器へデータを供給します。計算能力が高くても、メモリ帯域が不足すれば性能を生かせません。

HBMDRAMNAND

高速ネットワーク

スイッチIC、光通信向け半導体、DPUなどがサーバー間を結び、巨大な計算クラスターを1つのシステムとして動かします。

Switch ICDPU光通信

電源と冷却

電源管理ICとパワー半導体が大電力を低損失で供給します。電力効率は運用コストと設置可能な計算密度を左右します。

PMICPower MOSFETSiC / GaN
04

家電・工場・医療・社会インフラにも広がる

家電・IoT

エアコンや洗濯機ではマイコンが動作を制御し、センサーと通信ICが省エネや遠隔操作を実現します。

産業機器・ロボット

高精度アナログ、リアルタイム制御用マイコン、パワー半導体がモーターと生産設備を安定して動かします。

医療機器

微小な生体信号を扱うアナログIC、画像処理用プロセッサ、センサーが診断・監視・治療を支えます。

エネルギー・通信

基地局、太陽光・蓄電池、送配電設備では、通信半導体と高耐圧パワー半導体が不可欠です。

このページの要点

半導体は、デジタル製品の「頭脳」だけではなく、感覚、記憶、通信、電源、筋肉に相当する機能まで担います。製品ごとの需要を理解するには、完成品の出荷台数に加えて、搭載される半導体の種類、性能、電力効率、信頼性を見ることが重要です。

REFERENCE半導体用語集で調べる本文に出てきた専門用語を、製品・製造・市場などの分類から確認できます。

参考情報

ASML|All about microchipsTexas Instruments|半導体製品カテゴリーSemiconductor Industry Association|Industry Impact
運営テックメディックス総研株式会社