FEI Co企業分析|TEM/FIBで半導体微細構造を解析

半導体企業分析

この記事のポイント:FEI Company(現Thermo Fisher Scientific傘下・2016年買収)は透過電子顕微鏡(TEM)・集束イオンビーム(FIB)・走査電子顕微鏡(SEM)の世界的リーダーで、半導体ウェハ・デバイス構造のサブナノメートル観察・元素分析・不具合解析に不可欠な分析装置を提供する。TSMC・Samsung・Intelのすべての先端ファブに採用されており、先端プロセス開発・歩留まり改善・不良解析の「最終兵器」として機能する。

企業名 FEI Company(Thermo Fisher Scientific傘下・Materials & Structural Analysis部門)
親会社 Thermo Fisher Scientific(NYSE: TMO)・$67億で2016年買収
本社(旧FEI) 米国・オレゴン州Hillsboro
主力製品 TEM(Titan・Talos)・FIB-SEM(Helios・Strata)・SEM(Verios・Nova)
分解能 TEMで原子分解能(0.05〜0.1nm)・FIB加工精度数nm
半導体向け市場シェア TEM・FIB-SEM市場でトップシェア(Hitachi Hi-Tech・ZEISS・日本電子と寡占)
目次

TEM・FIBが半導体開発に「なくてはならない」理由

半導体の微細構造(2nm以下のトランジスタ・配線・絶縁膜)を可視化・解析するために電子顕微鏡は不可欠だ。光学顕微鏡の分解能限界(可視光波長〜400nm)を大きく超える原子レベルの観察が電子の波長(数pm〜数十pm)を使うTEMで初めて可能になる。3nm・2nmプロセスのゲート構造・配線断面・FinFET・GAA(Gate-All-Around)トランジスタの原子配列を観察してプロセス不良の原因を突き止めるFEIのTEMは、R&D・量産の両フェーズで不可欠なインフラだ。

ポイント:FIB(集束イオンビーム)はガリウムイオンビームで半導体デバイスをナノ精度で切断・加工し、TEM観察用のサンプル(TEM薄膜試料)を作製する。FIBとTEMを一体化したFIB-SEM複合装置は「切って見る」サイクルを一台で完結させ、不良解析のターンアラウンドタイムを数日から数時間に短縮する

主要製品ライン

① Titan TEMシリーズ——原子分解能・最先端R&D向け

0.05nm以下の分解能を持つ最上位TEMシリーズ。STEM(走査透過電子顕微鏡)+EELS(電子エネルギー損失分光)+EDX(エネルギー分散型X線分析)の三機能を組み合わせることで原子の位置・化学組成・電子状態を同時に解析でき、先端ロジック・メモリのR&D段階での素材・プロセス最適化に使われる

② Helios FIB-SEMシリーズ——量産ラインの不良解析主力機

量産ファブの歩留まり解析部門で最も広く使われるFIB-SEM複合装置。高輝度ガリウムFIB・Xe(キセノン)プラズマFIBの選択肢があり、加工速度・最小ダメージの要件に合わせて使い分けられる。ウェハ上の電気的不良箇所をCAD-FIBナビゲーションで特定し、数µm以下の精度でサンプルを切り出してTEMに転送する

③ Verios/Nova SEM——ウェハスケールの高分解能観察

300mmウェハの複数箇所を高スループットでSEM観察するシステム。ウェハ上のパターン寸法計測(CD-SEM的用途)・欠陥のレビュー観察・露光プロセスの評価に使われ、ファブの品質管理部門に多数設置される

投資・M&A視点での評価

Thermo Fisher(TMO)はFEI買収($67億)により半導体・材料科学・生命科学の電子顕微鏡市場でHitachi Hi-Tech・ZEISS・日本電子(JEOL)と寡占体制を形成している。先端プロセス(2nm・1nm・EUV)開発の複雑化が電子顕微鏡の高機能化・自動化ニーズを押し上げ、Thermo FisherのMSA(材料構造解析)部門はAI駆動の自動不良解析・クラウド連携という付加価値拡張でさらなる収益成長が期待される。詳細は半導体業界の全体構造を読むも参照。

※本記事は公開情報をもとに作成した分析・解説記事です。投資判断等の根拠として使用する場合は、必ず一次情報をご確認ください。情報は執筆時点のものであり、最新状況とは異なる場合があります。

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