【2026年10月】Samsungファウンドリ、2026年赤字が42%縮小と報道──再建の主役が「外部顧客」ではなく「HBM4のベースダイ」へ移る構造

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結論:Samsungのファウンドリ事業(System LSI含む)は、2026年の営業赤字が前年の6.74兆ウォンから3.92兆ウォンへ約42%縮小する見通しだ(TrendForceの報道ベース)。主因は先端ロジックの受注回復ではなく、HBM4のベースダイが自社4nmファウンドリで製造されることで、メモリ事業が「社内顧客」として稼働率を支えている点にある。ファウンドリの再建が、メモリの成長に寄りかかる構造になっている。

目次

何が報じられたのか

TrendForceは2026年9月30日、韓国メディアの報道として、Samsungのファウンドリ+System LSI部門の2026年通期営業損失が3.92兆ウォンに縮小する見通しだと伝えた。2025年は6.74兆ウォンの赤字で、縮小幅は41.8%にあたる。四半期ベースでは2026年に入ってから7,000億〜1.2兆ウォンの赤字レンジで推移しており、2026年第3四半期は約7,770億ウォンの赤字と見積もられている。

HBM4は2026年2月に量産出荷が始まり、第3四半期にはHBM4売上が前四半期比で3倍超になり、下期のHBM売上の6割超を占めるとの見方も示された。HBM4は1c世代のDRAMと4nmのベースダイを組み合わせる設計で、このベースダイを自社ファウンドリで作る。数字はいずれも報道ベースであり、Samsung自身の確定開示ではない点に注意が必要だ。

構造的に何が起きているか:メモリが「社内顧客」になった

従来、Samsungファウンドリの課題は、TSMCに比べて外部の大口顧客が乏しく、先端ノードの稼働率が上がらないことだった。報道によれば、社内メモリ向けの注文だけでは今なおファウンドリの能力を埋め切れていない。それでもHBM4のベースダイという新しい需要が生まれたことで、4nmラインに安定した量が入り、損失の縮小に寄与している。

これはHBMが「メモリ単体」ではなく、ロジック工程を含む複合部材に変わったことの裏返しでもある。ベースダイは従来DRAMメーカーの工程外にあったが、HBM4ではカスタム性が高まり、ロジックの製造力が競争力に直結する。ライバルのSK hynixがTSMCと組むのに対し、Samsungは垂直統合で対抗する構図だ。TSMC側のAI向け先端パッケージの動向はTSMC「CoWoS-L」が2028年までAIチップ包装の主流になる構造でも整理している。

価格と外部顧客:値上げ余地と大型MOU

報道によれば、Samsungは7月に4nmの受注価格を引き上げ、先端ノード全体で10〜15%の値上げに踏み切った。AI向けの需要逼迫で、TSMC以外の先端ノードにも価格決定力が戻りつつあることを示す動きだ。実際、QualcommがSnapdragon新型を全量TSMCで生産する構造のように、先端ノードの主流はなおTSMCに集中しており、Samsungは「TSMCの供給枠から溢れた需要」と「自社メモリ由来の需要」を拾う立場にある。

外部顧客では、7月にBroadcomと2030年までに2,000億ドル超規模の協力に関するMOUを結んだと報じられた。2026年第2四半期にはクラウド事業者やAI/HPC顧客から2nmの案件を獲得したともされる。Broadcomのカスタムシリコン市場の拡大はBroadcomのカスタムシリコンが2028年に2,300億ドル規模へ向かう構造で解説しており、カスタムAIチップの製造委託先が分散する流れはSamsungにとって追い風となる。さらにAnthropicがAIチップの製造先としてSamsungを検討しているとの報道もあるが、確定情報ではない。

今後の見方:赤字縮小は「回復」か「依存」か

注目すべきは、赤字縮小の質だ。HBM4需要が続く間は4nmの稼働率が支えられるが、HBMの需給が緩めば、ファウンドリ単体の競争力という宿題が再び表面化する。2nmの歩留まりと外部顧客の量産立ち上げが、真の回復を測る指標になる。

また、素材・供給網の面でも条件は厳しくなりつつある。シリコンウエハー価格が2027年に最大40%超上昇する見通しのように原材料コストが上がる局面では、価格転嫁できる先端ノードを持つかどうかが収益性を分ける。中国勢の動向も無視できず、HuaweiのLogicFoldingがEUV規制を迂回する動きや中国メモリ勢のNAND・DRAM相互参入は、先端ロジックとメモリの双方で競争環境を変えうる。

投資・M&Aの観点では、Samsungの再建は「ファウンドリ単独の価値」ではなく「メモリ+ファウンドリ+パッケージの統合力」で評価すべき局面に入った。メモリ側の供給制約についてはMicronのGDDR7 2GB品生産終了も合わせて参照してほしい。

出典:TrendForce「Samsung Foundry Loss Reportedly Seen Shrinking 42% YoY in 2026 as HBM4 Base-Die 4nm Demand Rises」(2026年9月30日)。数値は報道ベースであり、Samsungの公式発表ではない。


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