結論:欠陥検査は、半導体ウェハ上のパーティクル・パターン欠陥・異物を光学系または電子線(e-beam)で検出する工程。製造歩留まりを守る「番人」であり、KLA Corporation(米)が検査装置市場で世界シェア50%以上を独占する。
欠陥検査とは何か・なぜ重要か
半導体製造では数百工程を経てチップが完成する。各工程で微小な欠陥(パーティクル付着・パターン異常・材料欠陥)が生じると、完成チップの動作不良や歩留まり低下につながる。欠陥検査はこれらを工程中(インライン検査)に早期発見し、問題の拡大を防ぐための仕組みだ。1枚のウェハには数百〜数千個のダイ(チップ)が並んでいるため、欠陥を早期に検出することで被害を最小化できる。
ブライトフィールド検査とダークフィールド検査
光学式欠陥検査には2つの主要方式がある。①ブライトフィールド検査:ウェハに垂直に光を照射し、正反射光を検出する方式。設計パターンとの差分比較(Die-to-Die・Die-to-Database)で欠陥を検出する。感度が高くパターン欠陥の検出に優れるが、スループットが低い。KLAの29xxシリーズが代表装置。②ダークフィールド検査:ウェハに斜めに光を照射し、正反射以外の散乱光のみを検出する方式。パーティクルや表面異常からの散乱光が強くなるため、微小パーティクルの検出に優れる。スループットが高く、大量処理に向く。KLAの29xx・Surfscanシリーズが代表。
e-beam検査とレビューSEM
光学検査で検出できない微小欠陥や、電気的欠陥(パターンは正常でも電気的に断線・ショートしている欠陥)にはe-beam(電子線)検査が使われる。e-beam検査装置(KLA eSLxシリーズ・Applied MaterialsのSEMVisionなど)は解像度は高いがスループットが低いため、光学検査で欠陥座標を特定した後の「レビューSEM」として使われることが多い。レビューSEMで欠陥の種類・形態を詳細観察し、発生原因の特定(欠陥分類:Defect Classification)に使う。
AIによる欠陥分類の進化
先端ノードでは欠陥の種類が増え、人手による欠陥分類が追いつかなくなっている。KLAをはじめとする計測・検査装置メーカーは、ディープラーニング(CNN)を使った自動欠陥分類(ADC:Automatic Defect Classification)技術を装置に組み込んでいる。AIが数百万件の欠陥画像から学習して欠陥種別を自動判定することで、歩留まり改善サイクルを大幅に短縮している。
投資・M&A視点
欠陥検査装置市場はKLA Corporationが圧倒的な世界シェア(50%超)を持つ。TEL(東京エレクトロン)のハイテク関連子会社や日立ハイテクが一部市場に参入しているが、KLAの技術的優位は揺るがない。先端ノード(EUV・GAA)では欠陥検査の感度要件が飛躍的に高まり、装置単価は1台10億円超のモデルも出てきている。KLAは半導体投資サイクルに対して高い防御力(装置交換サイクルが長い・サービス収益が安定)を持つ銘柄として投資家に評価されている。
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